食料品も値上げラッシュ中だ。調味料などを買う際は、大手スーパーなどが扱っているプライベートブランドがお勧め。同じ商品より1~2割、中には3割くらい安いものもあるという。「きちんとしたメーカーがつくっているので心配がない」(同)

 食材は、曲がったきゅうりなど「訳あり」がお買い得。楽天アマゾンなどのサイトには訳ありの商品がたくさんあり、道の駅などの直売所にもあるという。そういう直売所が近くにないか、ネットで探してみることを勧める。生協や農協も訳ありの商品を扱っていることがあり、探してみるといい。

 食材を保存する冷蔵庫も見直しの余地がある。乱雑に詰めすぎて保冷効果が落ちないように整理整頓するのはもちろんだ。まだあるのを忘れ、同じものを買ってしまった経験があるかもしれない。荻原さんが勧めるのが、冷蔵庫の中をスマホで撮影すること。写真を見れば、何が入っているのかわかり、見ながら買い物をすれば、足りないものだけを補充できる。

 一方、値上げラッシュの食料品のなかで、米は例外的な存在だ。昨年は豊作だったことや、コロナ禍で外食向けが低迷していることもある。荻原さんは、朝のパン食をご飯に切り替えることを勧める。

 今秋に輸入小麦価格が大幅に値上がりし、来年以降のパンの価格に影響が出てきそうだ。ご飯茶碗1杯分の米は20~25円、卵をかけても50円もしない。一方、食パンは6枚切りの1枚は25円程度で、そのまま食べるわけにいかず、バターやジャムをつけることになる。さらに1枚だけで済まないこともあり、パン食は100円ぐらいになるかもしれない。朝食はコスト優先に変更してみてはというのだ。

 こうした防衛策はすぐできるものばかり。何もしないよりはいい。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2021年12月17日号

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