結局お金も時間も無駄にしたわけだが、私の言い分も伝え、相手の言い分も聞けたことで気持ちが安らいだ。ひどい対応とは思うが事情があったのだろうと思うことができた。結局、人は人のことを信頼したいのだ。
で、結局キーボード問題はどうなったかというと、7年使ったから寿命(短命! 涙)と総括し、すぐさまアップルストアに行って新品に買い替え。自力でデータ移行にも成功し一件落着である。
イケメン店員さんは完璧に親切で困った時の連絡先も教えて下さり大企業のありがたさを痛感。しかしその後すぐ、店員の対応を5段階評価で答えるアンケートがメールで送られてきた。なるほど監視されているのだね。なんだかんだと大変な世の中である。
◎稲垣えみ子(いながき・えみこ)/1965年生まれ。元朝日新聞記者。超節電生活。近著2冊『アフロえみ子の四季の食卓』(マガジンハウス)、『人生はどこでもドア リヨンの14日間』(東洋経済新報社)を刊行
※AERA 2022年11月7日号