シーズン前は、ロースターに入り、さらにはスターター枠を奪えるか不透明だったが、蓋を開けてみると、序盤から先発出場を果たしており、さらなる活躍に期待は膨らむばかりだ。

 そして富永といえば、“和製ステフィン・カリー”と呼ばれている通りロングシュートが注目されるが、他にも注目したいスタッツがある。

 ここまで10試合を消化し合計196分プレーしている富永だが、ここまでのターンオーバー数はわずか2。“NBA予備軍”とも言われるNCAAディビジョン1では、スピードやディフェンスのレベルが短大時代とは全く違うが、そんな中でミスのないプレーを続けていることは、シュート以上に評価されることだろう。

 一方、気になるのは、ややシュートの精度に劣るところだろう。ここまでの富永は期待に応えるように、少しでもスペースがあれば躊躇なくロングシュートを放つなど積極果敢なプレーが目立つ。しかし10試合の平均FG成功率は38.9%で3P成功率も34.6%とやや低調。シュート力を期待されている富永としては、このスタッツは気になるところだ。

 となると今後のオフェンスの課題は、シュートセレクションだろう。シュート範囲が広いことは富永の魅力だし、アグレッシブに得点を狙うことは悪くないが、厳しい体勢からシュートを放ち、しかも今のような成功率だと出場機会は逃げていく。

“Logo Kei(ロゴ・ケイ)”。バスケットボールのコート中央にはホームチームのロゴが描かれていることが多いが、これは富永がロゴ=コート中央付近からでもシュートを決められることからつけられたニックネームで、つまりはそれだけ地元でも富永の高いシュート力には定評があるということだ。

 果たして富永は、このニックネームの通りのプレーを続けることができるのか? 今季はこれまで以上に、NCAAバスケットボールから目が離せなくなりそうだ。(文/田村一人)

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