心配な人は事前に主治医に相談してみてください。
「どうしても印象材はイヤ」という人には「光学印象」がおすすめです。
印象材は一切、使わず、削った歯の面を専用のスキャンカメラで撮影するだけです。そしてパソコン画面上にデータを取り込むと、3Dプリンターでブロックから患者さんの歯型にあった技工物(つめものやかぶせもの)が削り出されます。
とはいえ、光学印象は印象材を使う方法に比べ、精度は落ちると言われていますが最近はかなり精度が上がってきました。
難しいのは歯の根元の部分の型取りです。
歯ぐきが覆いかぶさって削った境目がカメラではスキャンできない場合があります。実はこの部分には何もしないままだと印象材は入らないので、私たちもある方法をおこないます。「ジンパック」という糸を歯と歯ぐきの境目に巻いてから、型取りをするのです。
型取りで歯に印象材を注入する瞬間、この糸をさっと、取ります。
このとき、一時的に歯と歯ぐきが離れて隙間ができるので印象材が隙間の中まで流れていき、正確な歯型が取れるというわけです。
このように型取りは簡単なようで、奥深い世界です。
どのやり方がいいのかも含め、ぜひ、主治医に相談してみてください。苦痛ゼロとはいきませんが、患者さんに寄り添う歯医者であれば、できるだけの対策は講じてくれると思います。