でも、これは本心だ。ファンの拍手の力もお借りしたが、その拍手の大きさこそが大輔の魅力なのだ。野球界の将来に必要な野球人だと知ってほしかった。彼の世代は「松坂世代」と言われ、実績を残した選手や、コーチとしてすでに実力を発揮している者もいる。そのみんなが、「松坂大輔監督」の後押しをしてくれるはずだ。

　外から野球を見ることになる。どうしても投手出身の選手は野手の心の内がわからないものだが、彼には仲間がいる。「松坂世代」の力を結集して、強くて魅力あふれるチームを作ってもらいたい。それが私の松坂大輔に対する、ささやかであり、最大の願いである。

東尾修（ひがしお・おさむ）／1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代（95～2001年）に2度リーグ優勝

※週刊朝日 　2021年12月24日号

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