「逃走中」のイベントを企画した兵庫県西宮市立上ケ原小学校のPTA(写真/関係者提供)
「逃走中」のイベントを企画した兵庫県西宮市立上ケ原小学校のPTA(写真/関係者提供)
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 アナログ、強制参加……。AERAはたびたび、PTAの理不尽について報じてきた。そんな旧態依然のPTA活動だが、コロナ禍でついに変化せざるを得なくなったようだ。AERA 2021年12月20日号は、どのように変わったのか、取材した。

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 兵庫県西宮市立上ケ原小学校PTAは休校中の昨年4月にZoomを使い、2学年ごとのオンラインクイズ大会を開いた。子どもたちに大好評で、翌月は近隣大学の学生と児童らの交流会を開催。PTA会長で弁護士の阪本敬幸さんが講師を務め、いじめや差別の違法性を伝える講演会もオンラインで行った。

 連絡手段も、プリント配布をやめ、LINEのオープンチャットに切り替えた。昨年4月、学校を再開するか否か判断を迫られた際は、P連から「保護者の意見を出してほしい」と要望を受け、阪本さんは新設したオープンチャットで意見を募集。匿名で発言できることもあり、保護者から本音が多数寄せられ、学校からも感謝された。

 オープンチャットはイベントでも威力を発揮した。今年の秋はコロナがやや落ち着いたため、「逃走中」の親子イベントを企画した。参加や手伝いを希望する親子を募集したところ、たちまち400人を超える登録があった。告知から開催当日までわずか2週間だったが、一度も顔を合わせずに準備を整え、イベントは大盛況に終わった。

 PTA総会もWeb決議に切り替えた。昨春は休校で学校のコピー機が使えなかったため、書面総会すら開けなかった。そこで学校再開後は、Webで総会を行えるように規約を改正。以降、臨時総会や定期総会はGoogleフォームで決議を行っている。役員からは「紙資料の準備が不要なので、非常に楽になった」と喜ばれている。

■ハイブリッドで父親増

「PTA総会をオンラインで開催したら父親の参加率が上がった」という話もよく聞かれる。関西の高校のPTAで本部役員を務める50代の女性によると、2年前の総会は父親がほぼゼロだったが、対面とZoomのハイブリッド開催にした今年は、参加者の半分近くが男性だった。「実はPTA総会に参加したい父親は多かったのだろう」と女性は話す。会員からは「気軽に参加できる」「会社から参加できて有休を使わずに済む」など感謝の声が寄せられている。

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