「非吉本」で優勝が期待される錦鯉
「非吉本」で優勝が期待される錦鯉

 しかし、準決勝と決勝でのコンディションはまったく異なる。

「予選会場に足を運ぶお客さんはストイックなお笑い好きが多く、ある意味公平にネタを見てくれる人たち。一方、M-1の決勝では、大御所審査員たちに漫才コンビとしてどうハマれるかというのも非常に重要になる。例えば、昨年王者となったマヂカルラブリーの野田クリスタルが土下座姿で登場したとき、場の空気と審査員たちの心をがっちりつかんだ。その後は何をしても大爆笑を取りまくっていましたが、実はあの土下座で場の空気を一変させたことで、笑いの量が格段に増えた。決勝は、準決勝までとは戦い方がまるで違うのです。インディアンスのボケ担当の田渕はとにかく手数多めにボケまくるスタイルなので、スベれば底なし沼のようにどこまでも落ちていくこともあり得る。でもそのキャラも含め生放送の空気を制圧できれば、彼らが優勝する可能性は高いでしょう」

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 一方、今年のファイナリストの顔ぶれを見ると、9組中4組が「非吉本勢」と例年より多いことも特徴だ。M-1の歴史を振り返ると、歴代王者16組中、非吉本勢はたった3組。節目となる20周年目の今年、10年ぶりに非吉本勢の奪還はあるのか。数多くの番組を手掛ける民放バラエティーのプロデューサーはこう言う。

「非吉本勢でいうと、錦鯉は優勝の可能性はあると思います。昨年、彗星の如く現れ、“中年の星”として1年間テレビに出続けていた。ハードルが上がりきった状況下で決勝まで残ったのは、無名だった昨年よりも難しかったはず。この1年で2人のキャラもしっかり浸透したため、ネタ順にさえ恵まれれば、一気に王座まで駆け上がれる存在です。一方、同じくテレビではすでに人気者になった見取り図やニューヨークは準決勝で敗退し、まさかの敗者復活戦に回りました。準決勝ではウケが悪かった見取り図がネタを見つめ直して昨年までの勢いを取り戻せば、敗者復活の大本命としてスタジオに戻ってくる可能性は極めて高い。実力でいうと文句なしの2人ですから、敗者復活を圧倒的な勢いと力の差で制すことができれば、かつてのサンドウィッチマンのようにそのまま優勝ということもあり得ると思います」

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