マンガはツイッター「にごたろ」@vriGOpzvmMRE5Dvで読むことができる
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 実際「ああ、誰かカメラ持ってきて……」という瞬間もマンガにおもしろおかしく描かれている。

 かくもへの愛情深いにごたろさんだが、実はいまは猫を飼っていない。マンガに登場する猫たちはかつて飼っていた猫たちと、近くにある妻の実家の猫たちがモデルだ。特にモデルになっているのは最後に飼っていた三毛猫の雌・ミュウ。残念なことに交通事故で亡くなってしまい、以来猫は飼えなくなったという。

「本当に僕になついていて、家に帰ると玄関まで飛んできて、首元にくっついて離れなかった。10年以上前のことなのですが本当につらくて、ずっと猫を見ることもできなかった。でもマンガを描き始めてミュウを思い出すことで『ああ、まだ自分のなかに生きているんだ』と思えるようになった。同じように猫を亡くして苦しんでいる方は多いと思います。そういう方にも猫との時間を思い出してもらえるような作品になればとも思っているんです」

 マンガに登場する猫たちはいずれも保護猫。昨年から登場した子猫・ノリ吉は鼻の下にちょびひげのような模様があるのが特徴だ。

「『保護猫の譲渡会では変わったところに柄のある猫が残る』と聞いたんです。それならばそういう猫をマンガで活躍させれば、そういう子にも人気が集まるかなと」

 保護猫や地域猫の問題にも心を寄せる。大きなきっかけになったのは今年出版した『ミケちゃんとやすらぎさん』だ。千葉県市川市に実在する鍼灸(しんきゅう)マッサージ治療院のオーナーやすらぎさんと、看板猫として暮らす3本足の猫のやさしい交流をマンガにした。

「やすらぎさんとミケちゃんの関係は、決して可哀想な猫とそれを助ける人ではない。小さくとも強く尊敬すべき命の存在を2人から教わりました。猫から学ぶこと、もらうものはあまりに多い。笑いも提供してくれるし、何げない癒やしを常にくれますから」

 不安でとがった気持ちだらけの世の中で、読んでふっと力が抜けたり、穏やかな気持ちになったりする作品を描き続けたい、とにごたろさん。

「しあわせな猫がもっと増えるように、僕のマンガを読んで猫と触れ合い、『ああ、マンガのとおりだ』と思ってもらえればとも思います。その相乗効果も狙っているんです」

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