林芳正外務大臣(左)と林真理子さん (撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
林芳正外務大臣(左)と林真理子さん (撮影/写真部・戸嶋日菜乃)

林:それは初めて聞きましたが、ハーバードがあるケンブリッジやボストンを含む、東海岸特有の訛りは聞いたことがありますよ。ちょっとスノッブな感じの、高飛車にも聞こえるような話し方だった記憶があります。私の英語はネイティブじゃありませんから、「ハーバード訛りがある」と言われるほど洗練されてはいないと思いますよ。

真理子:森本さんは「英語力も素晴らしい」とおっしゃってましたよ。「日本の議員団が、ワシントンの著名な経済研究所に行って討論をしたとき、彼は一枚のメモもなしに1時間ほど英語でしゃべり続けて、アメリカ側をやり込めていた」って。

林:いやいや、やり込めてはいないと思いますけどね(笑)。

真理子:でも、代々の外務大臣、皆さんが英語が堪能でいらしたわけじゃないですから、林大臣はほんとに適役だと思います。ただ、外務大臣になられたとたん、「中国と親しすぎるんじゃないか」という声がありましたが、あれはどういうことなんですか。

林:日中友好議員連盟というのがあって、高村(正彦)先生のあと私が会長をやっていたので、そう思われたのかもしれませんね。

真理子:塩野七生さん(作家)が、「文藝春秋」のエッセーの中で、「外交は血を流さない戦争である」と書かれていましたけど、最近、中国に対する議論が活発で、今この時期に外務大臣ってほんとに大変だろうなと思います。

林:岸田(文雄)総理も言っておられるように、外交を進めるうえで、国民の理解と世論の後押しは重要なポイントだと思いますので、きちんと説明をしながら進めていかなければいけないと思います。中曽根(康弘)元総理が「われわれは歴史という名の法廷の被告席に立っている」とおっしゃったことがありますが、その言葉を念頭に置いて、先の時代から振り返ったとき、「あのときベストな選択をしたんだ」と思ってもらえるように努力をしたいですね。

真理子:私が最初に中国に行ったのは、40年前でした。それから何度も行きましたけど、同じ国とは思えないぐらいの目まぐるしい変化を遂げて、いまやその国力はアメリカに迫る勢いです。これからさらに10年後、15年後の変化を見据えなきゃいけないわけですから、大変なお仕事ですね。

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