林:中国の方たちが都市を自転車で走っている写真や映像、ご覧になったことがありますよね? かつて、中国では移動手段の主流は自転車でした。ですが、その後あっという間に車社会になって、自転車を使う人が激減したんです。しかしごく最近になって、またけっこう自転車が増えたんですね。それは、急激な車の増加で、ひどい渋滞、排ガスなどによる公害をはじめ、あらゆる問題が噴出してきた。そこで、レンタサイクル関連のベンチャー企業が次々と現れたんです。ぐるっと一周したという感じですね。あれだけ人口が多くて、かつての日本の戦後のようなスピードで経済発展を遂げている。日本としても、貿易額、投資額ともに大きいわけです。

真理子:はい、そうですね。

林:ただ、東シナ海や南シナ海、人権などいろいろな問題を抱えていることも事実ですから、主張すべきことは毅然として主張し、大国としての責任ある行動を求めていく。そして対話を続ける。いわゆる是々非々の対応で、建設的で安定的な関係を構築していかないといけないと思います。

真理子:いま、私の知り合いの若い青年が外交官として働いていて、よく写真を送ってくれます。けっこう伸び伸びと仕事をしているようで、こういう若い外交官が世界に散らばって、日本に情報を送ってくるんだなと、たのもしく思っているんです。

林:おっしゃるように「血を流さない戦争」というならば、いちばん大事なのは情報だと思います。世界中にいる日本の外交官が努力をして情報を集めてくることが、われわれが外交をしていくうえで大変な力になっていますね。

真理子:私、個人的には林大臣に文科大臣をもっと長くやっていただきたかったなと思っているんです。藤原和博さんなんかもブレーンにいらっしゃったし。

林:リクルートから公立中学校の校長先生になった藤原先生ですね。藤原先生は前から存じ上げてまして、お誘いいただいて、校長先生をなさっていた奈良の市立高校の授業参観に文科大臣として行かせていただきましたが、本当におもしろかったですね。

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