■がたぴし
「自分と他人」「彼岸と此岸」を表す仏教用語

仏教用語の「我他彼此(がたひし)」に由来する言葉です。「自分と他人」「彼岸と此岸」という相対するものを並べて、物事を分別して対比することを意味します。物事が対立する場では、いさかいが起こって騒がしいことから「音を立てて騒がしいさま」、特に「戸の立て付けが悪くきしむさま」という意味になったといわれています。

■あっけらかん
口を開けてぽかんとしている

「事の意外さにあきれて、ぽかんとしたさま」「少しも気にせずけろりとしたさま」という意味です。「あっけ」は、「あっけにとられる」などと同じで、漢字では「呆気」と書きます。口を開けてぽかんとしている様子を表します。「あっけ」の形容詞形が「あっけり」で、その過去形の「あっけたり」がなまって「あっけら」になり、状態を表す「あっけらか」さらには「あっけらかん」「あけらかん」に変化したといいます。

監修/久保裕之(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所)
文/美和企画
※『みんなの漢字』2021年5月号から

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