■けんもほろろ
キジが無愛想に鳴いて飛び去る
「けん(けーん)」はキジの鳴き声で、「ほろろ」は同じくキジの鳴き声とも、キジが羽ばたくときの音ともいわれています。「けん」は、「情け心がない」「無愛想」という意味の「慳貪(けんどん)」の「けん」、「とげとげしく拒否する」という意味の「剣突(けんつく)」の「けん」と掛けて、キジの無愛想に鳴く様子を表しています。「けんもほろろ」は、無愛想に鳴いて飛び去る様子から、無愛想に人の相談などを拒絶すること、取りつくしまもないことを意味します。
■おじゃん
火事のときに鳴った「じゃん」という半鐘の音
江戸時代に、火事になると鳴らされた「じゃん」という半鐘(はんしょう)の音が語源であるとする説が広く知られています。鎮火すると、半鐘をゆっくりと2回打ったことから、物事が終わることを「おじゃん」というようになったといいます。火事では建物の被害があるので、特に悪い結果で終わることを表すのだとされています。これは俗説で、「途中でだめになる」という意味の「じゃみる」の連用形に「お」がついた言葉だという説もあります。
■ごたごた
兀庵という僧の話がややこしくてわかりにくかった
鎌倉時代に中国からやってきた「兀庵普寧(ごったんふねい)」という臨済宗の僧に由来する言葉です。兀庵の話は理屈っぽくて複雑だったことから、ややこしくてわかりにくいことを「ごったんごったんしている」というようになり、「ごたごたしている」に変化しました。