ラッパー、プロデューサー、経営者 SKY-HI(撮影/写真映像部・松永卓也)
ラッパー、プロデューサー、経営者 SKY-HI(撮影/写真映像部・松永卓也)
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 芸能システムそのものを変えたいと「BMSG」を設立したSKY-HIさんがAERAに登場。ラッパー、プロデューサー、経営者。いくつもの顔を持っているSKY-HIさんに話を聞いた。AERA 2022年11月7日号から。

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 アーティストとして精力的に活動を続ける中、2020年にマネジメント&レーベル「BMSG」を設立した。スローガンは、「才能を殺さないために。」。

 原点にあったのは、疑問だった。「日本でダンス&ボーカルグループをやるなら、こんなスタイルであるべき」という型が、できあがっているように感じていた。

「その凝り固まったシステムが、世界で活躍する名だたるミュージシャンになったかもしれない日本の若者を殺してきたという確信があったんです」

 一方で、自分がその型にはまれないながらも、運よく生きながらえていることのありがたみも実感していた。

「そこに何か意味があるとしたら、これをやるためだったんだろうな。そう思って会社をスタートさせました」

 第1弾アーティストのNovel Coreと始まったBMSGは、1億円もの私財を投じたオーディションから誕生したBE:FIRSTをはじめ、いまや15人のアーティストが所属している。9月には設立2周年を記念した「BMSG FES’22」を開催し、約3万人を動員した。

「すごくよかったのは、3年目の時点で、自分も含めた所属アーティストがひとつのグループのような一体感のある状態を作れたこと。これは5年後くらいに大きな意味を持ってくると思います」

 現時点では、「満足できるところまで来ることができた」。次なる大きな目標は、「会社の認知をどう高めるか」だ。

「アーティストが大衆性を獲得すると失うものも出てきてしまう。けれども、会社自体が大衆性を獲得できれば、守れるものがある。来年が勝負どころです」

「簡単に達成できる目標ではない」としながらも、生き生きと丁寧に思いを語った。その眼差しは、数年後の未来を捉えている。(ライター・小松香里) 

AERA 2022年11月7日号より
AERA 2022年11月7日号より

AERA 2022年11月7日号