お互いの「歩み寄り」が試合の実現につながった(撮影/大塚淳史)
お互いの「歩み寄り」が試合の実現につながった(撮影/大塚淳史)

 そして、那須川がキックボクシング卒業を控えていた中で、お互いが歩み寄ることも可能になった。

「那須川選手は2022年のボクシング転向を発表し、キックボクシングのラストマッチはデビューしたRISEのビッグマッチ、4月と決めていました。そこに榊原CEOが引退時期の延長という、いわば『ウルトラC』を打診したわけです。那須川サイドはむちゃな相談だと感じたようですが、最終的に受け入れた。4月の試合自体は行われるものの、RISE側としては“那須川天心、キックボクシング卒業マッチ”というバリューを手放したことになる。RISEとしては大幅に譲歩しましたよね。一方で、武尊選手側、つまりK-1もワンキャッチ、ワンアタックというルールを受けた。これは相手をつかんでの攻撃は一回のつかみにつき一発だけというもので、RISE、RIZINで採用されているルールです。K-1は組んでの攻撃が一切禁止です。契約体重は58kg。那須川選手にとっては重く、武尊選手にとっては軽い。多くのファンが望む試合ですから、実現するためにどうすればいいか、という歩み寄り、あるいは譲歩がなされたという形ですね」

 ついに決まった夢のマッチに、武尊は「世界中から注目される試合になると思うし、日本人同士で世界最強を決められる試合はなかなかない。半年後まで待ってほしい」と意気込みを語った。那須川も「あと半年あるんで、じゃんじゃん盛り上がってくれればいいと思う。皆楽しみすぎて、事故しないように気をつけて」とユーモアを交えて語った。

 会見終了後、東京ドームの敷地内では大学生らしき男性2人組の会話が聞こえてきた。

「おい、那須川と武尊が試合やるってよ!」(大塚淳史)

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