そのうえで、「初出場組や演歌勢の減少傾向を見ても、相変わらず、NHKの若者迎合ぶりが目立ちます。受信料に支えられているNHKとしては将来的な視聴率確保の観点から、いくらテレビ離れが叫ばれても若い視聴者層の取り込みに注力せざるを得ない。そのぶん、今もテレビをよく見る年配層の視聴者が置いてけぼりになっている感もあり、下馬評どおりの高視聴率がとれるかは微妙ですね」と話す。

 芸能ジャーナリストの竹下光氏もこう語る。

「鈴木雅之さんにラッツ&スター時代のヒット曲『め組のひと』を歌ってもらうのも、同曲が若者に人気の動画アプリ『Tik Tok』でバズッているからでしょう。特別企画である『ゲーム&アニメ作品特集』についても、今年逝去した作曲家のすぎやまこういちさんが手掛けた『ドラゴンクエスト』シリーズは理解できるとして、『鬼滅の刃』が入っているあたり若い視聴者層を意識しているのがアリアリです。すでに“勇退”している北島三郎さんや森進一さんだけでなく、今年は五木ひろしさんも不在。NHKサイドもさすがに若者迎合が過ぎると思ったのか、このタイミングで演歌の大御所の細川たかしさんを企画枠で6年ぶりに“復活”させることになりましたが、あまりに唐突な感じがします」

 さらに今年は松田聖子の出場辞退という不測の事態も起こった。

 これまでの若者迎合路線を強化するあまり迷走気味な「紅白」。ここに来て人気のシンガー・ソングライターの藤井風さんの初出場やさだまさしの2年連続の出場、今年メジャーデビュー20周年を迎えた4人組ヒップホップグループ「ケツメイシ」の初出場が新たに発表されたが……。

「NHKが大みそかの本番に向けて情報を小出しにするのはいつものパターンとはいえ、今年は例年以上に露骨です。このタイミングで発表された『BiSH』の2023年解散に関しても、ネット上では『紅白の話題作りに協力したのでは?』という意見も出ています。なんとか話題を作ろうと焦っているのかもしれません」(音楽ライター)

 強力なライバル番組の不在で“復活”のチャンス到来と思われた「紅白」だが、果たして下馬評どおりの高視聴率を獲得できるのだろうか。(立花茂)

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