日本で取れた美味(おい)しい食品は、海外に運ばれ、私たちの口には入らなくなるかもしれない。いいや、日本は海外の人が使うための物をただ加工するための場所になるかもしれない。
ひと昔前、ジャパゆきさんという悲しい呼称があった。フィリピンなどの子が日本の風俗に出稼ぎに来るのだ。知り合いから聞いたのだが、日本の女の子はもう様々な国へ出稼ぎに行っている。そういう逆転現象が起きている。
岸田首相は、儲(もう)けられる企業の育成をというが、それをするにも時間と金がかかる。それももう遅い気がしてならない。
そうでないといいのだが。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2022年11月4日号