藤田直孝医師
藤田直孝医師

 みやぎ健診プラザ(仙台市)所長の藤田直孝医師は言う。

「胆のう結石の大きな原因は、コレステロールが結晶化することだと言われています。一方、胆管結石は、侵入した細菌の影響が指摘されています。結石が胆のうや胆管の中を移動するときに痛みが生じたり、炎症を起こして発熱したりすることで気づくケースが多く、黄だんが見られる場合もあります。ただし、結石の大きさと痛みの強さは必ずしも比例しません」

 国内の患者数は女性が多かったが、最近は男性の増加が目立つ。男性に肥満が増えたことなどが関係しているとみられるという。痛みが生じた場合、手術を勧められることが多い。

 胆のう結石の手術には、主に腹腔(ふくくう)鏡を用いて胆のうを取り出す方法が用いられる。腹部に3カ所程度、小さな穴を開けるだけで済み、従来行われてきた開腹手術よりも手術時にできる傷は小さく、患者の負担は少ない。

「腹腔鏡手術の入院期間は3~4日が一般的。開腹手術では10日間程度は必要でしたから、相当短くなり回復も早い。痛みが生じたのに摘出せずにいると、痛みを繰り返すなどして胆のうと胆管や、周りの臓器との癒着が進み、病状が悪化することが多くなります」(藤田医師)

 結石があっても症状のない場合は経過観察となるケースも多いそうだ。「胆のうがんがないかや、結石の場所、サイズなどをよく調べた上で、本人の希望も踏まえて対応を考えていきます」(同)

 胆石症を防ぐにも、やはりバランスのよい食事が重要。胆汁に含まれるコレステロール濃度が上がらないようにするのが基本で、脂肪の多い食事を減らし、適度な運動をすることも大切になる。(本誌・池田正史)

週刊朝日  2022年10月28日号

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?