既存の価値観から視点を少しずらすことで、別の扉が開かれる──。美月のそんな生き方は、コロナ禍で人生を考え直し始めた人々にとっても、希望となるはずだ。
ところで、今年、作家生活30周年を迎えた大島さん。小説を執筆するたびに七転八倒する苦しみはあっても、「今のほうが楽しい」と話す。
そんな彼女にとって、小説を書く醍醐味のひとつが、エンディングだという。
「私も楽しみに書いていくんです。後半戦に入ると、この話がどのように終わるのかというのが、私のモチベーション。だから、小説を書き出せば最後の1行を書き終えるまでは絶対に死にたくない(笑)。もし途中で死んでしまったら、心残りが大きすぎます」
(坂口さゆり)
※週刊朝日 2022年10月28日号
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