こうした世の中を背景に、大学入試の変化があります。本年度の入試では、私大現役合格者の半数以上が学校推薦型・総合型選抜による合格でした。今や一般入試組の方が少ないのです。この流れは中学入試にもきています。その中で生まれたのが新タイプ入試です。従来のペーパーテストでは測れない力を測る入試です。学校側は、模範解答のない問いで受験生を試します。この時に見ているのは、自学のアドミッションポリシーとの相性です。その子が導き出した解答から、学校の学びや校風に合う生徒を見ているのです。
ある学校ではリンゴが描かれた絵画を見て、「作者に聞いてみたいことを書いてください」という問題が出ました。この問いに明確な答えはありません。新タイプ入試はこうした出題が多く、「はっきりと答えが出ないと気持ちが悪い」と思ってしまうお子さんには向かない入試とも言えます。入試にはその学校の特色が表れます。入試問題を見て、相性のいい学校を見つけるのも一つの方法だと思います。
(構成/フリーランス記者・宮本さおり)
※AERA 2022年10月10-17日合併号