人生で最も高い買い物が「マイホーム」という人も少なくない。失敗しないためにはどうすればいい? 自ら注文住宅を購入し、本も出版したマンガ家、倉田けいさんに聞いた。AERA 2022年9月26日号の記事を紹介する。
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「コロナ禍の在宅勤務を経験して感じたのは、住む家の大切さです。これまでは家族の状況に応じて、賃貸を移り住んでいけばいいと思っていましたが、最近は愛着が持てる持ち家の購入を考えて、不動産の情報をチラチラ見るようになったんです。でも……」
そう話すのは、都心の賃貸マンションに小学生の子どもと夫とともに暮らす、42歳の会社員女性だ。とはいえ、住宅購入は人生でたぶん最大となる高額な買い物だけに、悩みも多し。借りるか買うか……そんな永遠の課題をクリアして「持ち家」と決めても、次はマンションか戸建てか、郊外か都心か、はたまた中古か新築かなど次々選択肢が迫ってくる。
■先輩家族のアドバイス
「考えれば考えるほど迷ってしまう。もしかしたら十数年前の婚活以上に、むずかしい決断かもしれません」(女性)
そんな迷える「住宅購入活動」中の人たちの参考書となっているのが『わかるマンガ マイホームを買いたい! 満足・後悔・お金…リアル体験談聞いてきました!』だ。著者のマンガ家の倉田けいさんは、不動産情報をあれこれ見るのが大好きな、いわゆる「家オタク」。家を買うまで、倉田さんが「カジュアル引っ越し」と呼ぶ、気になるエリアの賃貸住宅へのお試し引っ越しを数回おこなうなど、5年間にもわたる準備期間を経て、最近、注文住宅を購入。念願のマイホームで、夫と子どもの3人の新生活をスタートさせた。
この本はそんな倉田さんが、「建て売り戸建て」「注文住宅」「中古戸建て」「新築マンション」「中古マンション」の5ジャンルで、実際に住宅を購入した先輩家族を訪ねて、決め手や購入のポイント、実際の住み心地、さらに住み始めてからの管理組合の運営なども聞いたマンガのルポが中心になっている。
ちなみに床や壁面のタイルのチョイスに凝りまくって決められない「タイル沼」や、新築マンション見学時の「モデルルームマジック」、引っ越したあともリフォームやDIYを続ける「サグラダ・ファミリア」化など、住宅を買うときの「あるある」も満載で、すでに家を買ってしまった人も、購入までの楽しかったあれこれを思い起こさせてくれる内容となっている。