
マスク生活が日常になってから早3年目。マスクを着けていると、いやが応でも目と眉に視線が集まる。「眉は顔の額縁」という言葉があるように、眉ひとつで顔の印象が大きく左右される。マスク姿ならなおのこと! 今こそ眉毛ケアの好機だ。
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東京・巣鴨のシニア世代専門ヘアサロン「えがお美容室」には、眉毛の相談に訪れる人も多い。常連客の池田志美子さん(68)もその一人だ。
「白髪が増え、目尻側の眉毛は減りました。左眉の位置が右眉より高いのも気になっています」
ヘアメイクアップアーティストの船津有史さんは、シニアこそ眉毛をカバーする技術が求められるという。そのためにまず覚えておきたいのは、眉毛の位置の目安。眉頭は目頭の少し内側、眉山は黒目の外側と目尻の間、眉尻は小鼻と目尻の延長線上にあるのが“眉毛のゴールデンバランス”といわれている。
女性の眉毛ケアの基本はメイク。用意するのはアイブロウパウダーとアイブロウペンシルだ。パウダーはベージュ、ブラウン、グレーの3色パレット、ペンシルは髪の色に合わせてグレー系かグレーブラウン系があるといい。船津さんが言う。
「パウダーで眉毛全体のアタリをつけて、ペンシルで毛を描いていくのが大まかな流れです」

もう一つの必須アイテムは大きな鏡。小さい鏡で片方の眉ばかり見ていると、全体のバランスをチェックしにくいからだ。
まずは眉頭から。幅が広めの筆にベージュのパウダーを軽くつけ、両眉の眉頭の位置を合わせていく。「頭蓋骨の目のくぼみに沿って眉毛が生えているので、ここに合わせるとわかりやすいです」と船津さん。
眉山の位置を定めたら、そこが山になるようにブラウンのパウダーを軽くつける。眉山から眉尻にかけては、毛が薄くなっている人が多い。眉があるべき位置に、眉の下絵を描くように少しずつブラウンのパウダーを乗せていく。
「下絵ができたらペンシルで毛を一本一本植えるように短く、軽く描いていきます。描いたところはペンシル付属のブラシや綿棒、指などで軽くこすってなじませると自然になります」(船津さん)