イラスト:サヲリブラウン
イラスト:サヲリブラウン

 もうひとりは変わらずアメリカ在住ながら、建設中の家がコロナのせいでなかなか完成せず、家族でアパート暮らし。これも予想外でした。

 かくいう私も2020年初頭には想像もしていなかった様々なことが後に起こりまして、住まいが変わっております。結局、4人中3人の背景が変わっていたというわけ。

 それぞれの生活が変わる話は都度していたものの、遠方在住のため視覚的情報が乏しく、リアリティーがなかったのでしょう。人生が変わったという印象はお互いに持っていませんでした。実はビデオ電話の背景の変化が人生の動きを示唆していたなんて、コロナ禍ならではですね。

 ここ数年の変化は、自粛に象徴されるようにダイナミズムに欠けると思っていたけれど、そればかりでもなかった様子。コロナがなければ起きなかった変化も、コロナだから気づけなかった変化もある。周囲のことも自分のことも、改めて箇条書きにしてみよう。

○じぇーん・すー◆1973年、東京生まれ。日本人。作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニスト。著書多数。『揉まれて、ゆるんで、癒されて 今夜もカネで解決だ』(朝日文庫)が発売中。

AERA 2022年9月12日号

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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