大きな流ればかりでなく、長島有里枝さん、井谷聡子さん、李琴峰さんとの対談も収録。具体的にフェミニズムとの出会いが語られる。
「日常で感じる違和感はフェミニズムのきっかけになりますが、大事なのは個人の枠組みを超えて、社会の問題として考えることです。『女性だから◯◯しなくてはいけない』といった理不尽な要求に、自分が対応するのは自衛ですが、問題は解決しません。そのような社会はおかしいと声をあげるなら、それはフェミニズムです」
フェミニストの意見が一致しないのは、それだけ女性の生きかたが多様であるからだ──と、清水さんは言う。
「女性の生の可能性を広げるのがフェミニズムですが、いきなり完璧な状態にはなりえません。だからこそ自分と違う意見を聞いて行動を起こし、それに対する異論があればまた次の行動をする。こうした幅の広さがフェミニズムの豊かさではないでしょうか。だから『まずはフェミニズムをやってみようよ』と言いたいんです」
(ライター・矢内裕子)
※AERA 2022年9月12日号