松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、2人目のゲストは俳優の林遣都さんです。互いに尊敬し合う二人は、2019年のNHK連続テレビ小説「スカーレット」での共演を経て、その絆がさらに深いものになったといいます。8月29日増大号に掲載した対談の様子を紹介します。
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松下 今日はありがとう! 来てくれて本当にうれしい。
林 こちらこそ、うれしいです。ありがとうございます。
松下 その髪形、似合ってる! ずっと言いたかったの!
林 ありがとうございます(笑)。久々に短くしました。
松下 最後に会ったのは、2年前くらい? ずっと連絡は取っていて、誘い合って互いの舞台を観に行ったこともあります。ただ、コロナ禍で面会ができず、直接顔を見て話せなかったんですよ。
林 そうでしたね。
松下 2019年のNHK連続テレビ小説「スカーレット」で共演していた時は、まだコロナがなかったし、よく2人で飲みに行ったよね。撮影所近くの焼き肉屋さんに行って、ああでもない、こうでもない、と。その時に、けんちゃんが「舞台をやりたいです」と言っていたのを、すごく覚えてます。
林 ずっと、やりたい、やらないとな、と思っていたんです。
松下 やらないと?
林 そう、自分自身が向上するために。僕は初めて舞台をやったのが少し遅くて25歳の頃だったんですが、とても感動しました。演劇界には、すごい人たちがたくさんいて、自分が考える以上にお芝居のことを追求している。自分の意識も上がったし、仕事に対しての向き合い方もきちんとしなければ、と思うきっかけになった。もっと、こういう方たちとお芝居やりたいと考えるようになっていました。
松下 僕は「スカーレット」出演前まで、舞台に立つことのほうが多かったですが、だからといって、アドバイスできることは何もなくて……。でも、けんちゃんが舞台をやりたいと言っているのがとてもうれしかったんです。その後、本当に舞台ばかりやっていたから「本気なんだな」と思ってました。
林 「スカーレット」でご一緒する前から、洸平さんが舞台をやっていることを知っていたので、いろいろ聞きたいと思っていました。舞台は、映像では知ることができない技術的なものがたくさんある。それを洸平さんからも教えてもらいました。