(4)カピバラ @市川市

カピバラ(撮影/写真映像部・東川哲也)
カピバラ(撮影/写真映像部・東川哲也)

 水辺に生息するため、野生下では草だけでなく水草も食べる。園ではイネ科の牧草・ミレットなどを与えているが、2歳のイチョウくんはよく、エサの時間になるとプールの中で待っている。「『こっちにいれてください』ってアピールされている気がして」と、飼育員さん。プールのそばに置いてあげると、水の中に引っ張りこみ、もぐもぐ。気持ちいいと、つい目を閉じてしまう。のど元をなでてもらうと、さらにいい顔になる。

(5)ニホンリス @井の頭

ニホンリス(撮影/写真映像部・東川哲也)
ニホンリス(撮影/写真映像部・東川哲也)

 リスたちが放し飼いにされた広いケージを散策できる、「リスの小径」。この楽園では、真夏のごちそうとして、不定期で氷漬けのクルミが振る舞われる。リスたちはなんとかクルミを取り出そうと、小さな体で果敢にかじりつく。なかには氷の塊をひっくり返そうとする力自慢も。無事クルミを手に入れると、横取りされる前に一目散に木の上へ持っていく。頭上では、戦利品に歯を立てるカリカリカリ……という音が、小気味よく響いていた。

(6)アルパカ @市川市

アルパカ(撮影/写真映像部・東川哲也)
アルパカ(撮影/写真映像部・東川哲也)

 夏前になると、園の6頭の生まれ故郷である新潟の山古志(やまこし)アルパカ牧場から、「毛刈りのプロ」が来てくれる。20分ほどで、1頭ごとの似合わせサマーカットが完成する。アルパカの生息地は、夏は20度、冬は-20度ほどの南米アンデスの高原地帯。日本の夏は厳しいため、胴の毛を短く刈って熱中症を防ぐ。毛刈り後は元の半分ほどのサイズ感に。丸坊主にすると特有の愛らしさが損なわれるため、頭やひざなどにモフモフ感を残している。なお、アルパカは人間が毛をとるために品種改良した動物。毛は際限なく伸び続け、放置すると地面に届いてしまう。

(文/本誌・大谷百合絵)

週刊朝日  2022年9月2日号

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼