
うだるような酷暑真っ盛り。動物たちもさぞこたえているのでは?そう思い、炎天下の井の頭自然文化園と市川市動植物園をのぞくと、毛皮をまとった彼らは“ひんやり空間”で気持ちよさそうにくつろいでいた。
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(1)コツメカワウソ @市川市(市川市動植物園[千葉県市川市])

「流しカワウソはじめました」。パイプ製の水路を泳ぐ姿は、園の夏の名物。その実態は、流れるというより、飼育員が投げるエサ目がけて突進するというほうが近い。横からパイプに飛び乗って近道しようとするため、スタート地点から完走するのは稀(まれ)。自分で起こした水流で、よくエサを下に落としてしまう。動体視力に優れ、宙を舞うキャットフードの粒を両手でキャッチしたり、口で受け止めたり。二本足で立ち、「フニー」と鳴いておねだりする。
(2)モルモット @井の頭(井の頭自然文化園[東京都武蔵野市])

普段は空調のきいた部屋にいるが、掃除中の2~3時間は外のケージで過ごす。ケージ中央に置かれた凍らせたペットボトルにぴたりとくっつき、涼をとる。群れで暮らす習性があり、暑くても押しくらまんじゅうで身を寄せあう。ただ、気に入らない相手が隣に来るとツンとつついたり、給水器で水を飲む仲間を押しのけて割りこんだりして、たまに小競り合いが勃発する。渋滞して身動きがとれなくなると、丸々と連なる仲間たちの背中の上を走って移動することも。
(3)ニホンザル @市川市

サル山に暮らす49頭には、厳格な序列がある。スプリンクラーのしぶきが降り注いだり、日陰になっていたり、その時々の一番涼しい場所にボスが居座る。あたりが濡れていても、足を滑らせて木から落ちる姿はまだ目撃されていない。山のふもとにはプールもあり、勢いよくダイブするサルや、潜水して底に落ちているエサを取りに行くサルもいる。濡れるのが苦手だけど涼みたいという場合は、両手をバンザイして腰までつかるのだとか。