練習を公開した羽生結弦さん
練習を公開した羽生結弦さん
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 プロスケーターとなった羽生結弦さんが、プロ転向後初めて練習を公開した。競技者の時と変わらぬ真剣なまなざし。前人未到の4回転半ジャンプにも挑んだ。AERA 2022年8月29日号の記事を紹介する。

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 過去の自分を超え、未来へと進む──。そんな思いが表れたプロスケーター羽生結弦さん(27)の第一歩だった。

 8月10日、故郷の「アイスリンク仙台」で行われた公開練習イベント「SharePractice」。午前11時半ごろ、38社88人の報道陣が集まったリンクサイドに、羽生さんは姿を現した。

「自分のアスリートらしさというか、根本にある『さらに追究し続ける姿』みたいなものを見ていただく機会になればと思って、公開するイベントを作りました」

 タイトルの通り、普段の羽生さんを「共有」する一日が始まった。

■試合前と同じ緊張感

「今日、届いた」という真新しい白のジャージーを着て、ウォーミングアップを開始。肩甲骨や腰は特に念入りにストレッチした。両手を激しく左右に動かす速さと可動域の広さを見れば、これまで地道なトレーニングを積んできたことがよく分かる。陸上でトリプルアクセル(3回転半)も確認した。額には大粒の汗。午後0時半ごろ、ようやくリンクに上がった。

 前半は北京五輪でも演じたフリー「天と地と」や「ホープ・アンド・レガシー」「花になれ」など、過去のプログラム曲を流して、トリプルアクセルや4回転ループ-3回転トーループの連続ジャンプを跳んだ。

 一つ一つの技に向かう時の真剣なまなざしは、競技者の時と変わらない。試合前と同じような緊張感が会場を包んだ。

 練習は後半を迎えた。ドリンクを口にし、いっそう表情を引き締める。2連覇を達成した平昌五輪のフリー「SEIMEI」が流れた。この曲を選んだのには特別な思いがあった。

「平昌五輪のイメージが強いと思うのですが、あの時はノーミスだったわけじゃない。今回、自分があれから成長しているところを見せたかった」

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