
■やっとスタートライン
今後の予定を問われると、笑ってこう言った。
「ある程度、年内はめどが立ってきました。これやりたい、あれやりたいというのはちょっとずつ決まっていて、そのための練習もしています。ただ、また改めて告知させていただこうかと思うので。まだ内緒です」
7月の会見で羽生さんは、「競技会の緊張感が恋しくなることは絶対にない」と言い切った。「毎回毎回、本当に全力でやっているからこその緊張感みたいなものをまた味わっていただけるスケートをしたい」とも。公開練習は、まさにその言葉を体現する内容だった。
練習後、羽生さんはすがすがしい表情で言った。
「やっと今、スタートラインに立てました」
希望に満ちた演技と言葉の数々。さらなる高みをめざす挑戦が始まった。
(朝日新聞スポーツ部・岩佐友)
※AERA 2022年8月29日号