ヤクルトとDeNAの貯金の推移(AERA2022年8月29日号より)
ヤクルトとDeNAの貯金の推移(AERA2022年8月29日号より)

ヤクルト似のチーム

 今季の快進撃を象徴する試合が8月17日の巨人戦(横浜)だった。先発・濱口遥大(27)が三回に3点を先取され、打線も四回まで完璧に抑えられていた。以前なら淡泊な攻撃になり、さらに失点を重ねてワンサイドゲームになっていただろう。ところが、五回1死満塁で桑原が初球を中前に運ぶ2点適時打を放つと、さらに一、三塁で楠本泰史(27)が初球にセーフティースクイズを決めて同点。六回にソトの2点本塁打で勝ち越し、八回には宮崎の2点本塁打で突き放した。救援陣は山崎が疲労を考慮されてベンチを外れながら、六回から継投策で無失点に抑えた。

 スポーツ紙デスクは指摘する。

「ヤクルトとDeNAはチーム作りが非常に似ている。ヤクルトが2年連続最下位から救援陣を整備して昨季日本一に輝いたが、DeNAも昨季最下位から救援陣を強化して生まれ変わろうとしている。今後も過密日程なので、白星を増やし続けられるかどうかは投手陣が命運を握ると思う。選手たちに疲労がたまる中、新しい力が必要となってくる。新型コロナウイルスの陽性判定を受けてファームで調整している三嶋一輝(32)、楽天からトレードで加入した森原康平(30)、先発、救援どちらもこなす新外国人選手のガゼルマン(29)が戦力になれば大きなプラスアルファになる」

 ヤクルトの背中はまだ遠い。だが、残り9試合残っている直接対決を含めて勝ち続ければ「奇跡の逆転優勝」の可能性はある。(ライター・梅宮昌宗)

AERA 2022年8月29日号

暮らしとモノ班 for promotion
台風シーズン目前、水害・地震など天災に備えよう!仮設・簡易トイレのおすすめ14選