
今回、初出場を果たした駿河台大の徳本一善監督も注目の一人だろう。法大時代は4年連続箱根に出場。金髪とサングラスで箱根路を走った。2年時は1区で区間賞をとるも4年時は2区の序盤に肉離れを起こし、涙の途中棄権。天国と地獄を味わった。
駿河台大の駅伝部監督に就任し10年目。10月の予選会で8位となり、悲願の箱根の切符を獲得したときは、「この瞬間が見たかった」と歓喜する選手の姿を少し離れたところで録画していた。
とはいえ、ここまでの道のりは平坦(へいたん)ではなかったという。
「(就任時は)たばこを吸うわ、酒を飲むわ、パチンコに行くわ、夜に抜け出すわ、という部員もいてすごかった(笑)」
選手一人ひとりに「役割」を与え、選手自身による気づきを促した。3年間で30人以上が退部し、部員は絞られた。
「選手のメンタリティーも上がりました。選手自身の気持ちをつくったことは全大学で一番の自信があるんです」
一足早く、初出場を果たした東京国際大の大志田監督も激励する。
「初出場までの道のりはチームの財産です。徳本監督のチームづくり、人づくりが初出場を目指すチームのお手本となるでしょう。ライバルが増えますが、お互い頑張りましょう」
渡辺さんもこう話す。
「ゼロからのチームづくりで、伝統校とは違った苦しさがあったと思います。留学生がいるので往路はその選手がどこに起用されるのか注目しています。徳本監督は選手時代から何か派手なことをして注目を集めましたから、徳本さんらしさを出してくると思います。駿河台旋風にも期待ですね」
一方、主催する関東学生陸上競技連盟は、新型コロナウイルス感染症対策として、「スタート、フィニッシュ地点、各中継所、沿道などでの応援、観戦はお控えください」としている。テレビでじっくりと楽しみたい。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2022年1月7・14日合併号