ところで、12月に入って、ウィリアム王子の人気が急上昇している。王子は「Apple Fitness+」に声の出演をして、母ダイアナさんの思い出を歌にちなんで語ったのだ。
■兄の思いやりに称賛
母は全寮制イートン校の長期休暇明け、2人の王子を学校に送る車内で、運転しながら声を張り上げた。それは、ティナ・ターナーの人気の一曲「ザ・ベスト」だった。子どもたちを励まそうとするダイアナ流のやさしさが伝わり、聞いていた人たちの胸を熱くした。
また、21年のクリスマスカードの写真は、王子一家のヨルダン旅行時の一枚だった。
王子は18年、中東歴訪の際にヨルダンを訪ねたものの、キャサリン妃(39)はルイ王子(3)の出産後だったため同行できなかった。ヨルダンは、妃の父がブリティッシュ・エアウェイズ勤務だったとき、2年間ほど家族で滞在した思い出の地だ。残念に思ったキャサリン妃の意をくんで、21年、一家5人でヨルダンを再訪したのだった。
妃の喜びようは大きかったと伝えられる。ダイアナさんの好きな曲名を明かして思い出を語り、妻の夢をかなえた写真をクリスマスカードに採用する。そんな王子のさりげない思いやりに改めて称賛が集まっている。
■メーガンさんの胸一つ
これを知ったメーガンさんは対抗心をつのらせているのではないかと、英国のデイリースター紙は書いた。ネットフリックスとスポティファイの作品公開が待たれているが、予告済みのヘンリー王子の「インビクタス」やメーガンさんの「パール」はいつ発表されるのか。ウィリアム王子の成功は、ヘンリー王子夫妻にとってさらなるプレッシャーになるかもしれない。
また、22年6月の女王即位70周年の記念行事に、女王はすでにヘンリー王子一家に招待状を送った。ウィリアム王子が創設した環境賞「アースショット賞」授賞式は、22年は米国での開催が決まっている。
このためにウィリアム王子とキャサリン妃は、コロナ禍の様子を見ながらではあるが、渡米する予定だ。その時に弟一家の邸宅を訪問するだろうか。いとこ5人は一緒に遊ぶ機会をもつだろうか。貴重な兄弟の和解の機会を生かすかどうかは、やはり、メーガンさんの胸一つで決まりそうだ。(ジャーナリスト・多賀幹子)
※AERA 2022年1月3日号-1月10日合併号