メーガンさんの児童書『ザ・ベンチ』。表紙には「サセックス公爵夫人」とも記されている/21年6月8日、英ロンドンの書店(写真:gettyimages)
メーガンさんの児童書『ザ・ベンチ』。表紙には「サセックス公爵夫人」とも記されている/21年6月8日、英ロンドンの書店(写真:gettyimages)

 ヘンリー王子夫妻はネットフリックスとスポティファイと計200億円を超す大型契約を結んだ。それも、英王室の威光が効いたからという見方がもっぱらだ。王室の称号が、莫大(ばくだい)な資産を生んだのだ。

 それなのに、恩を仇(あだ)で返すような振る舞いが続く。二人は英王室を厳しく批判する手を緩めない。21年3月のオプラ・ウィンフリーさんのインタビュー番組では、生まれてくる子どもの肌の色を問題視されたとして、王室内での人種差別を示唆した。

 この番組は世界中に配信されたが、女王はさっそく「記憶は人によって異なるはず」と指摘。ウィリアム王子(39)は「英王室は人種差別をしません」と記者の質問にきっぱり答えた。

■決意のクリスマス写真

 11月に発売された暴露本『ブラザーズ・アンド・ワイブズ(兄弟と妻たち)』では、肌の色を口にしたのはチャールズ皇太子(73)と明かしている。ただ著者クリストファー・アンダーセン氏は、皇太子のカミラ夫人(74)へのたわいのない問いかけに過ぎなかったと言葉を添えている。それがヘンリー王子とメーガンさんの口から出る時には、大問題に発展したのだった。

 また、19年のクリスマスは、二人にとって、一つの決意を促す出来事だったという。

 女王のクリスマススピーチは毎年楽しみにしている国民も少なくない。女王の横に置かれたテーブルに、誰の写真が飾られるかも見どころの一つ。だが、前年にはあったヘンリー王子とメーガンさんの写真が飾られていなかった。当初は置いてあったが、女王が外させたという。

 それをもって、ヘンリー王子は「自分たちは王室に必要がない存在だ」と受け取った。王室離脱を発表したのは、それからわずか2週間後。女王は、王子一家がクリスマスを王室と共にせずカナダで過ごすと知り、それなら飾るまでもないと判断したのだろう。これまでの女王の愛情あふれる言動を思い出せば、誤解するはずはないのだが。

 王室離脱を女王のせいにするのは、ただの言いがかりに過ぎないとみなされている。自分たちに非があるのではなく、むしろ英王室から差別やいやがらせを受けたからだとする。二人は「被害者だ」というストーリーにもっていきたい。その方が米国で同情を得やすく、受け入れられやすいからとみられている。

 22年はヘンリー王子による暴露本が出版予定だ。ターゲットは主にチャールズ皇太子。皇太子は強烈な個人攻撃を覚悟しておいたほうがよいと言われている。王室を利用して利益をあげ、長女に女王の幼名をつけながら、王室批判を繰り返すダブルスタンダードは続きそうだ。

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