家での食事も余さんが作るが、本人は和食を作っているつもりでも、家人からは、「中華っぽい」と言われてしまうこともしばしば。

「やっぱり、食べ物には育った家庭の影響があからさまに出てしまうんでしょうね(苦笑)。私の母は日本人ですが、父の両親からいろいろ鍛えられたみたいです。生魚を食べる習慣はないので、子供の頃は、私も刺し身を食べた記憶はないです。小学校のとき、夏休みに家でへちまを栽培して、それを学校に提出するという宿題があったんですが、うちは、そのへちまを食べてしまって提出できなかった。それで、『ウェ~ン』って大泣きしたことをよく覚えています(笑)」

(菊地陽子、構成/長沢明)

余貴美子(よ・きみこ)/1956年生まれ。神奈川県出身。86年「東京壱組」を経て、映画、ドラマへと活躍の場を広げる。2008年「おくりびと」、09年「ディア・ドクター」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を2年連続で受賞。19年に紫綬褒章を受章。近年の舞台主演作に07年「錦繍」、15年「三人姉妹」がある。出演映画「ノイズ」が22年1月28日公開。

週刊朝日  2022年1月7・14日合併号より抜粋

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