鈴木誠也(代表撮影)
鈴木誠也(代表撮影)

 昨季のセリーグの順位予想を的中させた野球評論家は皆無に近いのではないか。2019、20年と2年連続最下位に沈んだヤクルトがリーグ制覇した。日本シリーズもオリックスを4勝2敗で下し、20年ぶりの日本一に。リーグ3連覇を狙った巨人は優勝候補の本命と見られたが、シーズン終盤の大失速でCS権を死守するので精一杯だった。

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「戦力的にはほとんど差がなかったと思います。その中でヤクルト・高津臣吾監督の用兵術が光りました。特に投手陣ですね。先発で頭角を現した奥川恭伸、高橋奎二に無理をさせず中10日の登板間隔を貫いた。また、守護神・石山泰稚が不調とみるや、セットアッパーに回し、マクガフを後ろに回した。昨年の優勝は決して勢いではない。地に足ついた戦いぶりで選手たちも自信をつけたと思います」(スポーツ紙デスク)

 連覇を目指すヤクルトだが、相手球団のマークは厳しくなる。奥川、高橋、野手陣ではリードオフマンでブレークした塩見泰隆が徹底的に研究されるだろう。選手層が厚いチームとは言えないため、主力に故障者が出た時の戦い方もポイントになる。

 記者歴15年のスポーツ紙記者は「今年のセリーグは大混戦になると思います」と予測する。

「まだ戦力を整えている段階ですが、ヤクルトを含めてどの球団も独走するほどの力はない。巨人は菅野智之が絶対的エースとして復活するかがカギを握ります。阪神は先発陣が充実しているが、救援陣に不安を残す。4年連続12球団最多失策の守備力強化も課題です。中日は投手陣が良いが、貧打が深刻でどこまで得点力を上げられるか。対照的にDeNAは大田泰示を獲得し、宮崎敏郎と6年契約を結ぶなど野手陣は充実しているが、投手陣のコマ不足が解消できていない。不気味なのは広島ですね。鈴木誠也はポスティング・システムでメジャー移籍を目指すことが決まったのは大きな戦力ダウンだが、投打で個々の選手の能力は高い。佐々岡真司監督がチームをどう再建するか。CS争いで昨季の終盤に巨人を猛追したように爆発力はある。優勝候補のダークホースになる可能性を秘めていると思います」

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