「アメリカでは昨年末の時点で91カ月も、そのバブルが続いてるんです。なおかつ、昨年末の段階でシラーPERが39倍なんですね。だからアメリカの株価は今、かつてないバブリ方をしていると考えられるのです」
バブル状態であれば、それはいつか崩壊する。問題はそれがいつ起こり、どんな影響を及ぼすか。
「アメリカ株はいつバブル崩壊してもおかくない段階です。春にはFRB(連邦準備制度理事会)が金利を上げるとも見られていて、注目されています。それがバブル崩壊のきっかけになる可能性が一番高いと思っています アメリカの株が下がれば、日本は必ず道連れになる。だから、今年はすごく危険な年だと思います」
そのほかの、不安要素としては、中国やロシアなどの軍事的緊張状態など世界の紛争をきっかけに、日本の株式市場が下落に転じるきっかけとなるケースも、十分考えられるという。
「中国の不動産大手の恒大グループは経営危機に陥っていますが、経営破綻すると、世界経済に影響を与えるでしょう。ロシアがウクライナに侵攻する可能性や中国と台湾をめぐる混乱も報じられています」
国内にもその株式下落の要因はある。災害だ。
「オミクロン株の感染爆発や首都直下型地震が起きる可能性もあります。何がきっかけになるかわかりませんが、私は年内のどこかで、必ず何か不測の事態が起こると思っています。気をつけておいた方がいいと思いますよ」
全国知事会(会長・平井伸鳥取県知事)は6日、テレビ会議を開き、オミクロン株の感染拡大について話し合い、平井知事は「あきらかにこれは第6波だ」と発言したことが話題になった。岸田首相は翌7日、沖縄、広島、山口の3県に対し、「まん延防止等重点措置」の適用を決定する方針を表明した。
「私は、東京都のオミクロン株の感染者が1万人を超えるのは、10日とか2週間とか、そのくらいのペースであっという間に広がると見ています。そういう状況になった時、岸田首相はおそらく、経済優先で政策の舵を切れない。アリメカやヨーロッパのように強いリーダーがいる国では、経済を止めないという断固たる姿勢で臨むでしょうがね。日本のような同調圧力が強く、平等主義の国家では難しい。岸田さんは、安倍晋三元首相や菅義偉前首相の時のように『まん延防止等重点措置』や『緊急事態宣言』を出さざるを得なくなるでしょう。そうすると、経済失速というシナリオも見えてくる」