城田優 [撮影/写真部・張溢文、ヘアメイク/本岡明浩、スタイリング/橘昌吾]
城田優 [撮影/写真部・張溢文、ヘアメイク/本岡明浩、スタイリング/橘昌吾]

 2003年に俳優デビューして以来、テレビ、映画、舞台と活躍する城田優さん。今年2月には、「カーテンズ」というミュージカルで、演出と主演を担当する。2007年にブロードウェーで開幕し、同年のトニー賞では8部門でノミネートされるほど高評価を得た作品だ。

前編/「正直、自分の容姿にコンプレックス」城田優 似た立場の人が後に続ける状況を目指す】より続く

「僕は、前例がないことをやってのける、その挑戦にいちばんワクワクする。今回、日本で新たに上演されるミュージカルの主演と演出をお引き受けした理由も、無謀なチャレンジだけど、“やってやれないことはないだろう”という情熱が湧き上がったからです」

 身ぶり手ぶりを交えながら、堂々と、自信に満ちた態度で質問に答える彼も、本番前は非常に緊張しやすいタイプなんだとか。

「本番は、目の前にお客さんがいて、そのお客さんたちはお金を払って足を運んでくださっているわけで、その人たちの前で失敗はできない。なので、そこに対する不安が強い。稽古では失敗してナンボなんで、のびのびできるんです(苦笑)。そういう意味では、今回も、主演のプレッシャーはあっても、演出のプレッシャーはない。元々僕はミュージカルに対して、深い見識や知識を持っているわけではないので、キャストやスタッフと一緒に内容への理解を深めていけたらいいと思っています」

「演出家がすべての答えを持っているべき」とは考えていないのだ。

「これまで、いろんな演出家の方とご一緒してきましたが、僕が目指す演出家は、全体を俯瞰で見ながら全て自分の思いどおりに仕上げていく全能感のあるタイプではなく、スタッフやキャストと同じ目線で、いろいろ話し合い、練りながら作っていくリーダータイプ。稽古初日には、キャストの前でも、『難しい作品ですし、僕自身まだ理解できないことも多々あります。一緒に理解していきましょう』と言うと思います」

 彼の中には、「エンターテインメントに正解はない」という思いがある。だから、自分なりに面白いと思う演出をやっていければいいと。

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