3人には、山本由伸のように「試合が決着するまで投げる」投手になってもらいたい。「中6日で130球」を投げても、さらに伸びていく投手は登板間に「強化メニュー」を入れる。回復の期間ではなく、さらにステップアップすることを意識している。1試合の中で力の使い方、配分も学んでいくことが大事だ。
メジャーのような「中4日、100球」なら、先発投手ができることは「最少失点で長いイニングを投げる」ことになるであろう。だから、無駄球は少なく、ストライクゾーンで勝負することが増える。だが、日本は「中6日」が基本だ。「先に点を与えない。リードして終える」ことが重要で、相手投手が無失点なら、自分も無失点の投球が求められている。
その点を理解した上で、自らの投球スタイルを追求すること。「中6日なのに100球でOK」では、さらに上のステージへと上がることはできない。
「こいつが投げたらお手上げ」と相手に思わせる域に達してもらいたい。勝負ごとは、心技体において主導権を握ること。そうなれば、試合の中で試せることも増える。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年1月21日号