東尾修
東尾修
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 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、昨シーズンに躍進した若手投手たちに、さらなる高みに至るためのアドバイスをする。

【写真】最優秀新人賞のオリックス・宮城大弥投手と広島・栗林良吏投手

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 2022年が始まった。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。昨年末から新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大が懸念され、特に沖縄県の感染者数が年始に一気に増えるなど、不安要素がまた増してきている。

 またか……という思いとともに、自分自身、もう一度、消毒の徹底、不要不急の外出を控えるなど、今までやってきた経験を生かさなければいけないと考えている。

 ウィズコロナのスポーツ界。野球界も各球団は収益減となっているだろう。昨年末の契約更改交渉を見ても「上がり幅」はしっかりとキープされている一方で、活躍できなかった選手の「下がり幅」も尋常でなかった。これまで「功労者」「指導者候補」の名のもとに、実績あるベテランは残留してきたが、コストパフォーマンスが悪ければ、自由契約となることも増えた。それは35歳を超えたベテランだけではない。中堅にも影響を及ぼしている。

 良くも悪くも、球団経営はそうであるべきなのかもしれない。資金力のある球団は、お金をかけて戦力補強していい。逆に資金力のない球団は、高年俸選手を放出していく。各球団の経営方針が、これまで以上に鮮明になっていくことだろう。

 今年のキャンプも無観客となるかもしれない。やはり宮崎、沖縄の自治体の意向がすべてであるし、キャンプでお客さんを運んでくることは事実で、県民の方々の思いがすべてである。日本ハムは新庄剛志監督が就任し、どんなことをやるか楽しみではあるが、昨年同様、テレビでチェックすることになるかもしれない。

 昨年は高卒2年目のヤクルト・奥川恭伸、オリックス・宮城大弥、ロッテ・佐々木朗希が躍進した。彼らにとって今年が勝負。20歳を超え、体の骨格もできあがりつつある状態だし、しっかり強い体を作ってほしい。

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