■怖いのは高齢者の感染
感染拡大が深刻化しているが、日常生活を止めるわけにはいかない。私たちはコロナにどう向き合えばいいのだろうか。
免疫医学が専門の東京理科大学名誉教授・村上康文さんは「70代以上は重症化するリスクが高いため、特に警戒が必要だ」と注意を促す。だからこそ、子育て世代など若い世代が気をつけることがあるという。
「怖いのは、孫から祖父母など、若い世代から高齢者への感染です。オミクロン株は感染力が強いため、ワクチンの2回接種が終わっていても感染リスクは高い。高齢者との接触は避けたほうがいいです」
祖父母が子育ての戦力になっているケースでは、特に注意が必要だ。村上さんは、感染者数は今後も増加すると見る。
「オミクロン株は発症までの期間が3、4日と短いですから、政府は隔離期間を短くするなど、医療と社会が止まるのを防ぐ策も考えるべきだと思います」
正しく恐れ、コロナ禍であっても子どもも大人も日常生活が維持できるよう、基準やシステムを考えることが急務だ。(フリーランス記者、宮本さおり、大楽眞衣子、羽根田真智)
>>【前編】「コロナ感染急拡大が子育て家庭を直撃 保育園休園、受験が不安…親たちの悲鳴」より続く
※AERA 2022年1月24日号より抜粋