沖縄県名護市辺野古の沿岸部。南側は陸地化(手前)が完了したものの、残る北側の建設予定海域(上)では軟弱地盤が見つかり、埋め立てに着手できていない
沖縄県名護市辺野古の沿岸部。南側は陸地化(手前)が完了したものの、残る北側の建設予定海域(上)では軟弱地盤が見つかり、埋め立てに着手できていない

 ただ、立憲の多数派が入れ替わったにもかかわらず、「希望の党」再来の動きに党内の大勢がなびいていないのは、泉氏が代表になった党内力学の変化が大きい。

「『民間産別との関係を切れ』とか『(拉致被害者の生存・救出を願う)ブルーリボンをつけている泉健太は信用できない』と言っていたら、どんどんリベラルの陣地は狭くなってしまうのではないか」

 泉氏は周囲にそう不安を漏らしているという。

■ハトを守るタカになるか 相互不信でカメレオンか

 1994年に自社さ連立政権ができた時、「ハトを守るタカ」を自任する自民の亀井静香氏が、社会党委員長の村山富市首相(当時)らの盾となり、リベラルな政権を支えた。社民党が閣外協力になった後、「(社民は)一緒に作った予算に賛否が分からんとか、減額執行しろとか。秋田の知事選は新進党についた」と不満をぶちまけ保保連合にてこ入れした亀井氏は「『カメレオン』に変身した」と評されたことがあった。

 元社会党委員長の浅沼稲次郎を慕う泉氏が「ハトを守るタカ」のような役割を果たせるのか、相互不信で「カメレオン」になるのか。リベラル勢力の行方は泉氏にかかっている。

 泉氏は1月9日に出演したNHKの番組で「『閣外協力』という言葉であいまいになったところがあるが、立憲の政権を構成する政党ということにおいては、共産党は想定にはない」と語った。

 この発言をめぐり、報道では共産との関係を否定する部分が強調されたが、枝野前代表が共産と結んだ「限定的な閣外からの協力」という合意を明確にした内容だ。泉氏はその前後で「共産党の政策力とか追及力は、国会において評価をするところがたくさんある」「候補者調整や、今の政権を交代させ、より国民の命と暮らしを守る政治に変えていくという部分では、共通するところはあるのではないか」とも述べている。

 参院選に向けた両党の協議の状況を問われた共産の志位和夫委員長は17日、笑みを浮かべながら、「急ピッチで進めたい」と自信をのぞかせた。ただ、「野党共闘」という候補者一本化の戦術を有権者の投票につなげていくには、安全保障政策をめぐる不安解消が急務だ。

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