1月26日、北京五輪フィギュアスケート競技の各国出場選手が、正式に発表された。団体予選の開始は2月4日。いよいよ開幕ムードが盛り上がる中、ロシアから衝撃的なニュースが飛び込んできた。男子エースのミハイル・コリャダが、新型コロナウイルスの検査で陽性反応を示し、代表を外れたのだ。
コリャダは、端正な演技と美しい4回転ルッツを武器に、ロシア男子をけん引してきた。昨年末のグランプリファイナルへの出場権も手にしていたが、五輪直前になっての奇禍。ロシアの関係者も落胆を隠せない様子だ。
代わりに代表入りしたのは、直前の欧州選手権で5位に入ったエフゲニー・セメネンコ。サンクトペテルブルク国立第一医科大学で学ぶ、文武両道のスケーターだ。前年の世界選手権では8位に入り、ロシア男子出場3枠の獲得に貢献したが、国内戦で結果が出せず補欠に甘んじていた。
実はこのセメネンコ、日本のファンの一部から、変わったあだ名で呼ばれている。理知的で端正だがどこかキュートな面持ちが、ある人気俳優に似ていると評判なのだ。その俳優とは、主演映画『決戦は日曜日』が公開中の窪田正孝。
Twitter上でファンが行ったアンケートでも、300を超える投票数のうちの75%が「似ている」と回答した。
ロシア選手の場合、名前が長くて覚えにくいせいか、様々なあだ名がつくことが多い。プルシェンコは、その華麗な戦績から「皇帝」と称された。エフゲニア・メドベージェワの「ジェーニャ」、エリザベータ・トゥクタミシェワの「リーザ」は、ロシア本国でも使われる短縮形。
複数の4回転を跳ぶアレクサンドラ・トルソワは、若くして次々と女子の記録を塗り替えたことなどから、日本のフィギュアスケートファンに「先輩」と呼ばれている。セメネンコの場合は、その容姿から「正孝」というあだ名が付いたという訳だ。
ロシアは、夏の東京五輪同様、今回も国としての出場は許されていない。2014年に明るみに出た、国家ぐるみのドーピング問題への制裁措置だ。この措置は2022年12月まで続くとされ、選手団は「ロシア・オリンピック委員会(ROC)」の旗のもとに、個人資格で戦う事となる。