塩原さんが企画協力を担当した「SMBC meets Contemporary Art come take a look展」会場風景(写真は塩原さん提供)
塩原さんが企画協力を担当した「SMBC meets Contemporary Art come take a look展」会場風景(写真は塩原さん提供)
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 ZOZO創業者の前澤友作氏、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正氏など、経営者や資産家がアートコレクターになる例は多い。では一体、彼らの作品は誰がどうやって買い集めているのか? アートを巡る新しい潮流を紹介する連載「なぜ1億円のアート作品がポチられるのか」。3回目はアート作品のコレクションをつくる「アート・アドバイザー」というお仕事について。

【写真】アート・アドバイザーの塩原将志さん

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 ニューヨークにある世界最大級の美術館、メトロポリタン美術館をご存知だろうか。150年の長い歴史をもち、実に200万点もの作品を所蔵するが、実は国立でも公立でもなく、私立の美術館。所蔵品はロックフェラー2世が寄贈した作品がベースになっている。

 私たちがアート作品を鑑賞できる背景には、このような個人コレクターの存在がある。世界では、総額100億円を超えるコレクションを持つコレクターも珍しい存在ではない。塩原将志さんは、このような個人コレクターから依頼を受け、作品を紹介・提案する「アート・アドバイザー」という仕事をしている。

■なぜアート作品は高額になるのか?

 仕事は、お客さんであるコレクターの「個性」を把握するところから始まる。塩原さんはコレクターの思想や生き方がコレクションに反映され、次世代に引き継がれると考えているからだ。たとえば経営者なら、革新的なビジネスを好むのか、着実な事業を選ぶのか、などを見極める。

 方針ができたら、いざ作品集め。お金を預かって作品を買いにいくなんていい仕事…… と思いきや、実はこれが至難の業。なぜなら、作品(現物)は世界に1点しかないからだ。そしてアート作品がビックリするほど高額になる理由が、ここにある。

 作品を買う方法は主に2つ。画廊から購入するか、オークションで購入するか、だ。画廊にも種類があるが、ここでははじめて市場に出す作品を扱う、プライマリーギャラリーを指す。

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