妻の娘たちにはパパが、私の息子たちにはママがいます。子どもたちにはただ、自分を大事に思う大人が増えたことでより安心してくれればいい。私たちにとっての家族は血のつながりだけではなく、大事な友人たちも家族。この自分たちらしいカタチを守っていけますように。

妻 岩崎裕美[45]セラピスト

いわさき・ひろみ◆1976年、神奈川県出身。国立国際医療センター病院附属看護学校卒業。看護師として東京医科大学病院ほか地方の病院にも勤務し、名古屋でサロンを開業。現在は神奈川・葉山でホリスティックリトリートサロンHappinessを運営

 私は長年、看護師として生死と向き合い、そこでより人間の本質を探究したくなって統合医療や自然療法、魂の探求など様々なセラピーを学んできました。今は医療の現場を離れて、人間の本質を大切にするための内面的な変容や意識、無意識の使い方などのサポートに注力しています。

 私自身が変容したんですよね。そして、自分の人生に妥協しなくていいんだ、妻でも母でもない自分自身を生きよう、と思ったとき、前の結婚に終止符を打つ決意がつきました。3人の娘たちが「ママがしたいようにするのが一番いいよ!」と言ってくれたのが前進する力になりました。

 新たに愛する人とは出会えないだろうと思っていました。ところが、ふいに夫が……。聞けば、彼も同じようなタイミングで離婚していて、生きる夢は、「人と生きる歓びや感動を分かち合って共有すること」で一致。つくづく縁の不思議さを痛感しながら、心が合う人とはちゃんと出会えるものなんだなぁ、と。心底ホッと安心しました。

(構成・茅島奈緒深)

AERA 2022年2月7日号