カトリーヌあやこ・漫画家&TVウォッチャー
カトリーヌあやこ・漫画家&TVウォッチャー
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 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ミステリと言う勿れ」(フジテレビ系 1月31日月曜21:00~)をウォッチした。

【「ミステリと言う勿れ」のイラストはこちら】

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 奇妙な男だ。天然パーマでアフロヘアの大学生・久能整(菅田将暉)。「セイ」ではなく「トトノウ」と読む。趣味はカレー作り、友達も恋人もいないけれど「快適に生きてます」と彼は言う。

 この男、いきなり同級生の殺害容疑で取り調べられる。バスに乗ればバスジャックに巻き込まれ、河原を歩けば記憶喪失の男に出会う。とんでもなく奇妙な日々。

 けれど彼はそのたび淡々と自分の見解を披露する。「真実は人の数だけあるんですよ。でも事実はひとつです」

 するとけっこうな音量で鳴り出すBGMがモーツァルトにチャイコフスキー、バッハにスメタナ、ブラームス。「月9」ならぬNHK「名曲アルバム」と言う勿れ。

 クラシックと共にとめどなく紡がれる整の言葉。読み解かれるのは、事件の謎だけじゃない。男性優位の警察組織の中で悩んでいた女刑事・風呂光(伊藤沙莉)は、整に勇気づけられやる気が復活。

 顔がうるさい尾上松也演じる池本刑事は妻のありがたさを説かれて、家庭不和が解決。その名の通り、整がいるとすべてが「ととのいました!」。ねづっちです!

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