妻のお腹がまた鳴りました。負けじと私のお腹も鳴りました。ハモった二人の『エンジン音』。何にも出来ることがないサイドカーの私は「早く良くなれ」と念じつつ、冷えピタの残数を数えるだけでしたが、3日後に妻の熱は無事下がりました。ところでサイドカーに乗っている時は何をするのがベストなのでしょう? そのうち妻のサイドカーに乗るかもしれないから、知っておきたいと思うのです。
春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)/1978年、千葉県生まれ。落語家。2001年、日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。この連載をまとめたエッセー集の第1弾『いちのすけのまくら』(朝日文庫、850円)が絶賛発売中。ぜひ!
※週刊朝日 2022年8月12日号