中でも抜擢が早そうなのが来田と細川の2人だ。来田は昨年7月にプロ初打席で初球を本塁打というド派手なデビューを飾るなど、1年目から一軍で15安打2本塁打をマーク。今年のキャンプでもさらにパワーアップした姿を見せている。守備には不安が残るものの、起用し続ければ昨年の紅林以上の成績を残す可能性もありそうだ。細川も昨シーズン終盤に一軍デビューを果たし、9試合の出場で5安打をマーク。ミート力は高校時代から圧倒的なものがあり、運動能力の高さも魅力だ。プロではショートで起用されているが、高校時代は外野でも長くプレーしており、複数のポジションを守れるというのも大きい。チームが大きく生まれ変わるタイミングだけに、一気に出場試合数を増やすことも十分に考えられるだろう。

 プロのレベルは年々上がっており、その壁に苦しむ高卒選手も多いが、その一方で高い順応性を見せて飛躍的にレベルアップを遂げている選手も決して少なくない。今年も冒頭で触れた3人のようにあっと驚くような若手が続々と登場してくることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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