2022年1月に放送されたホットペッパーのCM最新作。SNSでは歓喜の声が(写真:春企画東京)
2022年1月に放送されたホットペッパーのCM最新作。SNSでは歓喜の声が(写真:春企画東京)

 2006年には当時人気絶頂だった「SMAP」もCMに登場した。

「洋画風な映像へのアフレコが続いていたので、次は違うものがいいなと漠然と考えていた頃でした。当時のSMAPの関係者の方と会う機会があったんです。その方が『ホットペッパーのCM面白いですね』って言ってくださったので、これはチャンスだと思い、『次、SMAPでやらせてもらえないですか?』ってダメ元でお願いしてみたら、まさかのOK。面白いことはどんどんやっていこうっていう意識の方でしたので、テレビ各局のプロデューサーの方々にもすぐに連絡してくれて、後日膨大な量の素材が届きました」

 CMではSMAPの幼少時代やコンサート映像、メンバー全員が出演していた映画「シュート」の場面映像などが使用された。

 木村拓哉を食べ過ぎで動けなくなった部長役にさせたり、草なぎ剛に「昨日、寿司屋でマグロを頼んだけどなかなか出てこなかったよ~♪」という歌詞を熱唱させたり。ファンも喜ぶ貴重な映像にアフレコしたことで注目度はさらに高まった。

「今、振り返ると、よくこんなCMが作れたなと思います。必死で作ったコンサートの映像に寿司屋のお客さん同士の会話をアフレコするなんて…。面白がってくださった関係者の方には感謝しかありません」

●重要なのは「違和感」と「異物感」

 ホットペッパー以外にも、山崎さんが手掛けたCMには多くの人の記憶に残るものがたくさんある。沢口靖子が国会議員や女子高生などを演じた「タンスにゴン」、大滝秀治が「つまらん」と岸部一徳を一喝する「水性キンチョール」、香取慎吾と草なぎ剛が衝撃的なビジュアルを見せた「スカルプD メディカルミノキ5」など、あげればきりが無い。

 その中でも、大地真央が女将や和尚、コスプレイヤー、格闘家、配達員などに扮し、今野浩喜を翻弄する「アイフル」もホットペッパーと同じくシリーズ化された人気CMだ。「そこに愛はあるんか」のフレーズを一度は耳にしたことがある人も多いだろう。

「大地さんをキャスティングした理由は、絶対この役をやらなさそうな人だからです。例えば、これをバラエティノリが上手な軽いイメージの方がやっても想定内だし、あまり個性のない女優さんだと役柄に負けてしまう。大地さんは宝塚のトップにいた方ですし、凛とした筋の通ったイメージが強く、強烈な個性もある。そういう凛とした方が真面目に面白いことをやるっていうのが面白いんです」

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