「そこに愛はあるんか」のフレーズが印象的。大地真央出演の「アイフル」のCM(写真:春企画東京)
「そこに愛はあるんか」のフレーズが印象的。大地真央出演の「アイフル」のCM(写真:春企画東京)
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 洋画風の映像に関西弁のアフレコが魅力の「ホットペッパー」、大地真央が「そこに愛はあるんか」とつぶやく「アイフル」、松田翔太の顔が文字に隠れほとんどみえない「コインチェック」――。誰もが一度は目にしたことのあるこれらのCMをすべて企画したのが、クリエイティブディレクターの山崎隆明さんだ。視聴者の興味を引きつける名作CM制作の裏側を本人に聞いた。

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●アフレコCMは「人間ドック」中にひらめく

 山崎さんは、日本大学芸術学部を卒業後、1987年に電通に入社。2009年には独立し、現在は株式会社「ワトソン・クリック」の代表取締役を務める。

 山崎さんの代表作の一つといってもいいのが、2002年から放送が続くホットペッパーのCMだろう。古い映画を思わせる洋画風の映像に意外性のあるセリフがアフレコされているのが特徴で、今年の1月には最新作もオンエアされた。放送直後は、SNSなどで「アフレコCM待っていました!」「流れた瞬間にすぐにホットペッパーのCMって分かるってすごい」など好意的な意見が溢れた。ちなみに、ホットペッパーの代名詞ともいえるこの「アフレコCM」で、全作品のナレーションを担当しているのは山崎さん自身だ。

「アフレコのアイデアがひらめいたのは人間ドックに行っている時でした。バリウム検査の順番を待っている間、待合室で古い映画が流れていたんです。それをぼーっと眺めていた時に、何気なくセリフをしゃべってみたら、それがけっこう面白かった。痴話喧嘩しているようなシーンだったんですけど『お前、俺の財布から金盗んだん?』みたいな感じで(笑)。僕が話す関西弁と洋画とのギャップが大きければ大きいほど面白くなるんじゃないか。そんな魅力に気づいた時に、これは使えるかもしれないと思いました」

 CMには30以上ものバージョンが存在するが、山崎さんが吹き込むセリフはどれもインパクトが強く印象に残る。

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アフレコ収録は800テイク以上。中には3週間かかったものも…