料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「金目鯛とハマグリの春のひと皿」。
* * *
「週刊朝日」がなんと今年、100歳を迎えられるとのこと。おめでとうございます。
春はお祝いごとが多い季節。そこで金目鯛と旬のハマグリを使って、見た目も晴れやかなひと皿をご紹介しましょう。
まずは鍋に水を入れ、だし昆布を30分ほど浸しておきます。金目鯛は切り身を沸騰したお湯にさっとくぐらせ、身が少し白っぽくなったらすぐに引き上げ、冷水に取って水を切ります。この時、アミの上に魚をのせながらやると身が崩れにくいですよ。
次に昆布を水に浸した鍋にハマグリを入れ、煮立ったら昆布を取り出します。煮すぎると粘りが出て風味が落ちるので、沸騰する直前に引き上げましょう。
弱火にして貝の殻が開いたら酒を振り、貝を取り出します。そして金目鯛を5分ほど煮てください。アクが出たら取り除き、澄んだだしに仕上げるのもポイント。最後に菜の花とハマグリに軽く火を入れ、味をととのえたらできあがり。祝杯には日本酒が合いますよ。
(構成/沖村かなみ)
◆金目鯛とハマグリの春のひと皿
【材料(2人分)】金目鯛2切れ、ハマグリ4個、菜の花1/2束、だし昆布5cm角1枚、水400cc、酒大さじ1、塩小さじ1/2、薄口醤油小さじ1
【作り方】(1)鍋に水とだし昆布を入れ、30分ほど置く。(2)金目鯛は切り身を2等分に切り、軽く振り塩(分量外)をして10分置き、水分を拭き取る。湯を沸かして金目鯛をさっとゆで、色が変わったら冷水に取り、水気を切る。(3)ハマグリをよく洗う。菜の花は沸騰した湯に塩小さじ1(分量外)を入れて軽くゆで、水気を絞る。(4)(1)にハマグリを入れ、煮立ったら昆布を取り出し、弱火にしてアクを取る。貝が開いたら酒を振って取り出す。(5)金目鯛を入れて5分煮る。長さ3cmに切った菜の花、ハマグリを加えてひと煮立ちさせ、塩と薄口醤油で味をととのえ器に盛る。
【ワンポイントアドバイス】金目鯛はさっと湯通しすることで、表面のぬめりやウロコが取れる。
ハマグリの殻が開いたら、貝に酒を振りかけると臭みが取れて風味が増す。
※週刊朝日 2022年2月25日号