AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2022年2月28日号では、外資系コンサルティング会社のマネジャーとして勤務しNPO法人Shape the Dreamの代表を務める白木栄次さん、イトーキシェアードバリューで管理業務を担当する白木真穂さん夫婦について取り上げました。
* * *
夫27歳、妻27歳のときに結婚。長男(8)、長女(4)、次男(2)と5人暮らし。
【出会いは?】大学時代、夫がアメフト部で妻がチアリーダー部だった。部活動を通して知り合った。
【結婚までの道のりは?】社会人になってから交際。お互い「結婚するならこの人」と思うようになり、交際4年で結婚。
【家事や家計の分担は?】コロナ前、家事は100%妻の担当だったが、夫婦共にテレワークになり、夫が育児と家事をする割合が大幅に増えた。財布は一つで、夫婦で管理。
夫 白木栄次[37]外資系コンサルティング会社 マネジャー NPO法人Shape the Dream代表
しらき・えいじ◆1984年、大阪府出身。近畿大学法学部卒業後、2006年に富士通に入社し、アメリカンフットボール選手として14年まで活動。17年に学生アスリートのキャリア教育事業を展開するNPO法人Shape the Dreamを創設。昨年、外資系コンサルティング会社に転職
昨年末、15年間勤めた会社を退職しました。仕事は順調で、家庭とのバランスもうまくとることができていました。その恵まれた環境から、新たなステージへ進んだのは、自分の中で「チャレンジ」が大事な要素だからです。
これまで、アメフト選手としての活動、ビジネススクールへの入学、NPO創設などに挑戦してきました。さらなる自己成長を目指した際、コンサル会社に関心をもち、転職を決断しました。子どもたちには、父親が挑戦する姿を見せることができていると感じています。
週末は、近所の公園で子どもたちを集めて遊んでいて、いつの間にか「白木スポーツアカデミー」と呼ばれるように。以前、在宅勤務をしていた平日昼に呼び鈴が鳴り、応答すると「白木パパいませんか」と近所の子どもから遊びのお誘いだったことも(笑)。
私を通じて、大人も子どもも新しい出会いや発見をしてほしいです。今後も幅広い年代の人が出会う場や機会を作っていきたいと思っています。
妻 白木真穂[38]イトーキシェアードバリュー 管理業務
しらき・まほ◆1983年、岐阜県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、2006年にANA中部空港に入社し国際線のグラウンドスタッフとして従事。シェアオフィスの外資系企業のServcorpJapan、全日空システム企画、楽天を経て、20年にオフィス什器を扱うイトーキシェアードバリューに入社。管理業務全般を担当
夫から転職の話を聞いた時、最初は「え!」と思いました。子どもが3人いる共働き夫婦として、生活が変化することに躊躇して。でも、夫の「チャレンジは今しかない」という話を聞いた時、彼の求めるものを応援したいと思いました。
とはいえ現実では予想外のことが起きます。昨年、次男が肺炎になり、急きょ1週間入院することに。コロナ禍で、付き添いの保護者は外出禁止でした。そこで、出社が必要な私ではなく、代役を立てられた夫が泊まり込みで対応しました。何か起きた時は、困っていることと、協力できることを出し合い、短時間で最善の策を出しています。
夫がアメフト選手だったこともあり、アメフトの試合を週末に家族でよく見に行きます。娘はその時見たチアリーダーに興味を持ち、今はチアを習っています。私も学生時代にチアをやっていたので、そんな娘の姿を見るのがうれしいです。これからも、子どもたちの「やってみたい」を体験させてあげたいです。
(構成・小野ヒデコ)
※AERA 2022年2月28日号